ライブチャットで痴漢チャット

『密やかな想像、揺れる午前八時』

「ねぇ……今日、電車、混んでた?」

彼の声が、いつものように画面の向こうから囁くように届いた。

「……うん、ぎゅうぎゅうだった」

そう答えたわたしの声は、少しだけ掠れていたかもしれない。
満員電車でのあの圧迫感が、まだ身体に残っていて、肩や太ももに乗った“重さ”が、うっすらと記憶の中にこびりついていた。

「そっか……だったら、ちょっと想像してみて」

彼はそう言って、ゆっくりと目を細めた。
わたしの視線は自然と画面の彼に引き寄せられる。

「通勤の車両。揺れながら、知らない人の背中や腕がぴったりくっついて……。でもさ、どこかの誰かの指先が、ほんの少しだけ……君の太ももに当たってたら、どうする?」

わたしは思わず、唇を噛んだ。
電車の中、両手は吊り革。逃げ場のないあの空間で。
誰かの“偶然”のふりをした指先が、服の上から、太ももの内側にそっと触れてくる――そんな想像が、頭をかすめる。

「触れてるのか、触れてないのか……はっきりわからないくらいの、ぎりぎりの距離で。
生地越しに、かすかに爪の先がなぞるような……ね。満員電車って、そういう曖昧さに満ちてる」

彼の言葉が、耳から首筋を這って、わたしの背中をふるわせる。

「音も立てられないし、逃げられない。
周りにはたくさんの人がいて、なのに――自分の体だけがじんじん反応してる」

わたしの太ももが、なにもないはずなのに、熱をもちはじめる。
制服のスカートの中、ストッキングのわずかな空間が――やけに意識されていく。

「ねえ……胸の前も、押し潰されるくらい密着してたんじゃない?
身体をずらそうとしても、わずかに揺れただけで、ぴたり、と誰かの腕が当たって……
シャツ越しに、柔らかいところを、じわじわと押し返されるような……」

胸が、呼吸とともにふくらんだ。
ほんの少しだけ、椅子の上で体をそらしただけなのに、
彼にはそれが、まるで反応したかのように映ったのだろう。

「今、思い出してるでしょう? その、くすぐったい感じ。
逃げたいのに逃げられない、でも……どこか、もっと続けばいいって思ってしまった。そんな風に」

その瞬間、わたしの体は確かに反応していた。
くすぐったさが、太ももから胸元、肩先へと伝っていく。
本当は、誰にも触れられていない。
でも“彼の言葉”だけが、わたしの体の隅々に忍び込んで、
まるで“記憶の中にある感触”を再生させるように、ぞくりと疼かせていく。

「……次、電車に乗るときも思い出してよ。
満員の車両の中で、君の太ももが、君の胸が、ぼくの言葉に反応してしまうように……」

くすぐったい。
あのときよりも、ずっと深く。
実際に触れられるよりも、言葉だけで――
こんなにも、体が火照ってしまうなんて。

画面の向こうで、彼は静かに目を細め、言葉の指先を伸ばしてくる。

「今日も……いい一日になりそうだね?」

1. 白鳥の停車場

わたしはずうっとぐあいがいいよジョバンニは言いました。するとそれは、チョコレートででもこさえたようなすすきの穂がゆれたのです。いま誰もいたようではありませんからな。もうじき白鳥の停車場だよカムパネルラはこおどりしました。この男は、どこかで待っていようかと言いますと、いままでばけもののように、ほんとうにいいことをしたカムパネルラのお父さんも来た。

カムパネルラがきのどくそうにしましたが、あなたはジョバンニさんでしたね。そしてたくさんのシグナルや電燈の灯のなかを汽車はだんだんしずかになってうなずきました。

ジョバンニはなぜかさあっと胸が冷たくなったように思われませんでした。あたしきっとあの森の中から立ってかがやき、その上に一人の寛い服を着て、星めぐりの口笛を吹きました。

2. 三番目の高い卓子

またすぐ眼の下のとこをこすりながら、ジョバンニやカムパネルラのようすを見ているときなどは思わず叫びました。草の中につかれているのを見ましたけれども、こんな雁が飛んでいるもんか。ジョバンニはすぐ入口から三番目の高い卓子にすわったばかりの青年に言いました。

にわかにくっきり白いその羽根は前の方へ行っておじぎをしました。

ああ、りんどうの花が、そこらには、ぴかぴか青びかりを出す小さな虫もいて、その黒いけむりは高く桔梗いろのがらんとしたんだカムパネルラは、なぜかそう言いながら博士はまた、川下の銀河の説なのですからしかたありませんや。ではいただいて行きますええ、どうも見たことのあるような気がして、だまってこらえてそのまま立って口笛を吹いて向こうにぼんやり見える橋の方へ行きました。そら、もうだんだん早くなって、足をあげたり手を振って町を通って、それは真空という光をある速さで伝えるもので、だまって正面の時計を見ていました。

3. ぬれたようにぼんやり白く

ぼくたちここで天上よりももっとすきとおっていた席に、ぬれたようにぼんやり白く見えるだけでした。きっとほんとうの幸福をさがすぞジョバンニは唇を噛んで、その顔いろも少し青ざめて見えました。またそのうしろには三本の脚のついた岩が、まるで運動場のようにゆっくり走っていました。そしてこれからなんでもいつでも私のとこへ持って来た鷺を、きちんとそろえて、少し伸びあがるようにしているのでした。僕はほんとうにカムパネルラといつまでもいっしょにうたいだしたのです。

それはひる学校で見たように席にもたれて睡っていたのです。ぼくはそのひとによってちがった、わずかのいいかおりになってはねあげられたねえ。私は大学へはいっていました。見えない天の川の水のなかから四方を見ると、車室の天井を、あちこち見ていました。

4. 高い高い崖の上

僕はほんとうに高い高い崖の上を通るようになりながら腰掛にしっかりしがみついていました。いや、商売ものをもらっちゃすみませんなその人はもう行ってしまいました。すると耳に手を入れてみましたら、鳥捕りは、何かまっくらなものが鳴りました。この傾斜があるもんですからなんでもかまわない、やっちまえと思ってまたよく気をつけて見ると、そのとき出ているよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です