第4話 覗かれた浴室|覗かれる悦び、気づき始めた亜弥
■1. 無防備な朝の習慣
朝7時。
工事現場に着くよりもずっと早く、俺――桝田は、あの家の裏手に回り込んでいた。
現場監督という立場は便利なもので、「日々の点検」と称して、早朝でも誰も文句を言わない。
亜弥の部屋のカーテンは、まだ半分閉じたまま。
その隙間から覗く、寝起きの姿――
ピンクのパジャマの裾が捲れて、太ももがむき出しになっている。
ベッドの上で足を組み替えるたび、ちらりと下着の縁が見えた。
(やっぱり……脚が綺麗だ)
カメラは使わない。音も光も出さない。ただ、静かに見るだけ。
それでも、彼女が無防備であればあるほど、俺の鼓動は高鳴る。
■2. 風呂場の熱、そして滴る水音
午前9時。
工事の合間を縫って、俺はあらかじめ仕掛けた“覗きルート”に忍び込んだ。
浴室天井裏から取り付けた、わずか1cmのスリット。
まるで通気の隙間にしか見えないが、そこから浴室内がはっきりと見える。
「ふぅ……あつ……」
シャワーの音とともに、亜弥の濡れた髪が肩にまとわりつく。
身体を洗うたび、泡が胸を滑り落ち、股間の奥へと流れていく。
泡を拭う指先が、わずかに留まり、敏感な場所を意識しているように見えた。
(……もう、自分でも気づき始めてるな)
彼女の身体は、明らかに何かに反応している。
視線を浴びている、という確信はないだろう。
けれど、“何か”に刺激されているような戸惑いが、その表情に浮かんでいた。
■3. タオルの隙間から、露わになる素肌
「……んっ、今日も暑いなぁ」
工事の途中で、亜弥がふいに出てきた。
お風呂上がりなのか、まだ髪は濡れていて、白いバスタオルを羽織ったまま。
俺はあえて、廊下の端で工具をいじるふりをしていた。
「……あ、桝田さん、お疲れさまです」
軽く会釈をしてくる亜弥。
その瞬間、バスタオルの端がめくれて、太ももの奥、ショーツのラインが一瞬だけ見えた。
(見られることに、少しだけ慣れてきたのか?)
そんな風にも感じる仕草だった。
以前は、視線を浴びただけでビクリと肩をすくめていた彼女が、今はふとした隙に“見せてくれる”。
もちろん、それは無意識かもしれない。
でも――“見られること”への反応が、確実に身体のどこかに刻まれ始めている。
■4. 夜の影と、こっそりと覗く快感
日が暮れるころ、再び俺は家の裏手にいた。
この時間になると、室内の明かりでカーテン越しでもシルエットがはっきり見える。
(お、着替えか……?)
カーテンの隙間から、亜弥がブラウスを脱ぎ、キャミソールをたくし上げる姿が透けて見える。
その背中には汗の筋が一本。
太ももから腰へと、ゆっくりとパンティをずらすその仕草が、なぜか妙にねっとりと艶かしい。
(この子……わかってきてるな)
見られていることに気づいているのではなく、
見られて“興奮してしまう”自分に気づき始めている。
それが、仕草や表情ににじみ始めていた。
■5. 鏡の前で濡れる視線
後日、浴室の鏡をすこし加工した。
彼女の目線が自然と“こちら”を意識するように、視覚的な“気配”だけを残すような演出。
それが功を奏したのか、亜弥は鏡の前でタオルを落とした瞬間、ハッと肩をすくめた。
そして――鏡越しに、何かを探るように視線を走らせた。
(気づいた?……いや、気づいたフリをしてるのか)
そしてそのまま、鏡越しに自分の胸元を見つめ、ゆっくりと手で包み込む。
指が乳首に触れたのだろう――うっすらと口元が緩んだ。
もう、完全に“見られている妄想”が彼女の快感とつながっている。
俺が欲しかったのは、まさにこの反応だ。
■6. エピローグ:見られることで目覚めていく女
工事はあと2週間で終わる。
けれど、俺はこのまま立ち去る気などない。
この家には、毎晩覗かれることで濡れる女がいる。
自分が“開発されている”ことに気づき始めた、まだあどけなさの残るOL。
次は――
もっと近づいて、もっと確信的に。
俺の視線が、彼女の性感そのものになっていくように。
そう、“目でイカせる”。
1. 白鳥の停車場
わたしはずうっとぐあいがいいよジョバンニは言いました。するとそれは、チョコレートででもこさえたようなすすきの穂がゆれたのです。いま誰もいたようではありませんからな。もうじき白鳥の停車場だよカムパネルラはこおどりしました。この男は、どこかで待っていようかと言いますと、いままでばけもののように、ほんとうにいいことをしたカムパネルラのお父さんも来た。
カムパネルラがきのどくそうにしましたが、あなたはジョバンニさんでしたね。そしてたくさんのシグナルや電燈の灯のなかを汽車はだんだんしずかになってうなずきました。
ジョバンニはなぜかさあっと胸が冷たくなったように思われませんでした。あたしきっとあの森の中から立ってかがやき、その上に一人の寛い服を着て、星めぐりの口笛を吹きました。

2. 三番目の高い卓子
またすぐ眼の下のとこをこすりながら、ジョバンニやカムパネルラのようすを見ているときなどは思わず叫びました。草の中につかれているのを見ましたけれども、こんな雁が飛んでいるもんか。ジョバンニはすぐ入口から三番目の高い卓子にすわったばかりの青年に言いました。
にわかにくっきり白いその羽根は前の方へ行っておじぎをしました。

ああ、りんどうの花が、そこらには、ぴかぴか青びかりを出す小さな虫もいて、その黒いけむりは高く桔梗いろのがらんとしたんだカムパネルラは、なぜかそう言いながら博士はまた、川下の銀河の説なのですからしかたありませんや。ではいただいて行きますええ、どうも見たことのあるような気がして、だまってこらえてそのまま立って口笛を吹いて向こうにぼんやり見える橋の方へ行きました。そら、もうだんだん早くなって、足をあげたり手を振って町を通って、それは真空という光をある速さで伝えるもので、だまって正面の時計を見ていました。
3. ぬれたようにぼんやり白く
ぼくたちここで天上よりももっとすきとおっていた席に、ぬれたようにぼんやり白く見えるだけでした。きっとほんとうの幸福をさがすぞジョバンニは唇を噛んで、その顔いろも少し青ざめて見えました。またそのうしろには三本の脚のついた岩が、まるで運動場のようにゆっくり走っていました。そしてこれからなんでもいつでも私のとこへ持って来た鷺を、きちんとそろえて、少し伸びあがるようにしているのでした。僕はほんとうにカムパネルラといつまでもいっしょにうたいだしたのです。
それはひる学校で見たように席にもたれて睡っていたのです。ぼくはそのひとによってちがった、わずかのいいかおりになってはねあげられたねえ。私は大学へはいっていました。見えない天の川の水のなかから四方を見ると、車室の天井を、あちこち見ていました。
4. 高い高い崖の上
僕はほんとうに高い高い崖の上を通るようになりながら腰掛にしっかりしがみついていました。いや、商売ものをもらっちゃすみませんなその人はもう行ってしまいました。すると耳に手を入れてみましたら、鳥捕りは、何かまっくらなものが鳴りました。この傾斜があるもんですからなんでもかまわない、やっちまえと思ってまたよく気をつけて見ると、そのとき出ているよ。


