第2話 秘密のライブチャット| 誘惑の視線の中で
第2話「視線の中の違和感、忍び寄る興奮」
「はぁ……っ」
配信を終えた後のひかりは、まるで運動でもした後のように息が上がっていた。
たけるとのやりとりは、本当にやさしくて、穏やかで、あたたかかった。けれど、その裏側で──“よこっち”と名乗る誰かがひっそりと仕掛けてきた囁き。
あの人は、まだ部屋にいた。
──
次の日の夜。
「こんばんは、ひかりです」
緊張していた初回よりは少しだけ落ち着いた声で、再び配信を開始する。画面の右下に、チャット参加者の数が表示されていく。
──たける、よこっち(のぞきモード)──
(……やっぱり、来てる)
たけるが最初に言葉をかけてくれる。
【たける】:こんばんは、今日もお元気そうで安心しました。
「はい、少しずつ……慣れてきました」
【たける】:昨日の話、とてもよかったです。ひかりさんの声には、不思議な安心感があります。
その言葉に、ひかりは心から微笑んだ。夫にも、こんなふうに褒められることは最近減っていた。
でも──
よこっち*秘密メッセージ*:今日もそのスーツ、ぴっちりしてて興奮する。ボタンの間から、谷間がチラ見えしてんの、わかってる? その中、レース? それとも……透けてる?
(や、だ……っ)
画面には出ない、けれど確実に彼女の奥まで届く文字。視線ではなく、文字が、肌を撫でてくるようだった。
スーツの胸元がふと意識され、彼女は思わず前かがみにならないように背筋を正した。
(……見えてる?)
よこっち*秘密メッセージ*:あー、今、直したでしょ。残念。さっきの角度、ほんとヤバかった。ブラの輪郭、ぴくって浮いてたよ。
太ももの奥が、ひくんと震える。彼に見られているという意識が、じわじわと濡れを呼んでいた。
【たける】:今日は、どんな一日を過ごされたんですか?
「えっと……買い物に行って、お掃除して……あとは、少しだけ……ここで話すこと、楽しみにしてました」
【たける】:それは嬉しいです。ひかりさんの日常が、なんだかとても愛おしく感じます。
そのやさしい言葉にうなずきながら、ひかりの太ももはゆっくりと閉じていた。けれど──
よこっち*秘密メッセージ*:そのスカート、座ると太もものライン出まくり。ちょっと足、開いてみ? 覗いてあげるから。
(そんな……)
けれど、画面の中で表情を変えずに微笑みながら、ひかりはスカートの裾を無意識に押さえる。
それだけで、じわりと湿っていく感覚が、下着の内側に広がっていた。
よこっち*秘密メッセージ*:あ、今押さえた。バレバレ。そんなに濡れてんの? おりもの、透けてるんじゃない?
(やめて……そんな……)
だけど、声には出せない。
画面の中では、たけるが穏やかに微笑んでいるだけ。
【たける】:声が少しやわらかくなりましたね。緊張、少し取れたのかな?
「……そう、ですね」
その瞬間も──
よこっち*秘密メッセージ*:乳首、どう? 今、擦れて痛い? それとも……気持ちよくなってる? ボタン、はち切れそうに立ってるよ?
ピンと張った乳首が、下着とスーツの布地に擦れて疼いていた。触れられていないのに、彼の目がそこにあるかのように感じる。
よこっち*秘密メッセージ*:もっと見せて。その柔らかい胸、吸いつくようにぴったりのスーツの下で、今どれだけ震えてるのか。教えて?
言葉は交わしていない。
でも、確実に、ひかりの身体は応えていた。
スカートの奥に手をやるわけにもいかず、太ももの内側がじっとりと熱くなっていく。
よこっち*秘密メッセージ*:わかってるよ。君、見られて濡れるタイプでしょ? 俺の目で、クリの奥までじっくり舐めてやる。
(……っ)
ひかりは思わず目を閉じた。
あのコメント、あの視線。現実の夫にも見せたことのない顔が、画面の向こうに晒されている──
【たける】:ひかりさん、なんだか今日……少し色っぽいですね。何か、いいことありましたか?
(わたし……どうして……)
気づかれないように、でも確かに震えていた。乳首も、太ももの奥も、全部が。
言葉で触れられた感覚が、確実に“濡れ”を呼び覚ましていた。

