第3話 覗きチャット|遠隔の吸引と痴漢の記憶

メインさんとのチャットが始まる少し前。わたしはすでに小さな“異物”を、体の奥に忍ばせていた。

リモート操作の吸引型の大人のおもちゃ。

のぞきさんが送ってくれた“特別なプレゼント”だった。

(ねぇ、つけておいて。今日も、すこしだけ、遊ぼう)

その一言で、わたしの身体は、メインさんと話す前から、じんわりと熱を帯びていた。

「こんばんは。今日は体調、どう?」

画面越しのメインさんの優しい笑顔に、わたしは少しだけ緊張しながらも微笑み返した。

「うん、大丈夫。お仕事、ちょっと忙しかったけど……今は落ち着いてる」

「そうか。無理しないでね。肩、凝ってる? 表情がちょっと硬い気がする」

(だって……今、吸われてるから)

心の中で叫んでも、もちろん口には出せない。

のぞきさんは、さっきから何度も強弱を繰り返すように、おもちゃの吸引をコントロールしていた。

ちゅ、ちゅぽ……じゅっ……

まるで小さな口で敏感な突起を吸われているような感覚に、下半身がビクンと反応してしまう。

「……あ、ごめん。少し、足がしびれたみたい」

「大丈夫? 座り直してもいいからね」

メインさんはまったく気づいていない。 でもその無防備な優しさが、逆に羞恥を倍増させてくる。

そのとき、チャット欄に通知が入った。

【のぞきさん】 “ねぇ、今スカートの中……どんなふうになってる?”

(だめ、今はメインさんと話してるのに……)

焦りながらも、身体の奥では「じゅっ……ちゅ……っ」と吸われるようなリズムが続いている。

「……えっと、最近少し仕事で……」

会話を続けようとするけれど、舌がもつれる。 乳首の奥がツーンと締まり、スカートの中がじわりと濡れていく。

【のぞきさん】 “今、電車の中だったらどうする? スカートの中、こんなに吸われながら、人に囲まれて”

“吸引されながら……太ももに誰かの手が滑り込んできてたら?”

ぞくりと、背筋に鳥肌が立った。

メインさんの優しいまなざしの下で、わたしの身体は別の記憶を呼び起こされていた。

――朝の電車。満員で動けない状況。

その中で、誰かの指先が、太ももからじわじわと、スカートの奥へと滑り込んできたあの感触。

“触れてないのに、吸われてる……そして電車では、上から手が滑り込んできて、乳首まで撫でてくる”

“ほら、両方同時に責められたら……どうなっちゃう?”

「……っ!」

言葉を失いかけて、わたしは画面の前で身体を小さく揺らした。

メインさんが、少しだけ首をかしげる。 「……大丈夫? 顔、赤いよ」

「う、うん。ちょっと……エアコンの温度が高くて」

「無理しないで、水飲んで?」

彼の優しさが、またわたしを追い詰める。

(知らないんだ、このスカートの奥で何が起こってるか……)

吸引が急に強くなった。

「んっ……っ」

声が漏れそうになるのを、飲み込んだ。

ちゅっ、じゅっ、じゅぽっ……

小刻みに襲ってくる振動と吸い上げが、突起を中心に神経を痺れさせていく。

太ももをきゅっと閉じると、今度はその内側に、記憶の中の“指”が忍び込んでくるような感触が押し寄せる。

“脚、震えてるでしょ?”

“パンティの中、きっと吸引だけじゃなくて……僕の指も、同時に入ってきてる感覚になるよ”

(……やだ、もうっ……)

「じゃあ、そろそろ今日はこの辺で……」と、メインさんがやさしく会話を締めようとする。

その瞬間。

“ラスト、強にしてあげる”

ジュッ……! ちゅぽぽっ……!

「あ、っ……!」

小さく悲鳴のような声が漏れた。

「え……? 今、なにか……」

「ご、ごめんっ、画面が一瞬バグって……!」

慌てて取り繕いながら、震える脚を押さえ込む。

突起が吸われて、もう濡れすぎてパンティの布地が冷たくなっていた。

メインさんがログアウトしたあと、のぞきさんからのチャットがまた現れた。

“よく耐えたね。偉いよ”

“でも……そのまま、もう一回だけ、してもいい?”

返事をする前に、再び吸引が始まる。

今度は、遠慮なく、容赦なく――

わたしは両脚を開いたまま、声を殺して震えながら、 メインさんの画面の余韻が残る中で、のぞきさんの“ご褒美”に堕ちていった。

1. 白鳥の停車場

わたしはずうっとぐあいがいいよジョバンニは言いました。するとそれは、チョコレートででもこさえたようなすすきの穂がゆれたのです。いま誰もいたようではありませんからな。もうじき白鳥の停車場だよカムパネルラはこおどりしました。この男は、どこかで待っていようかと言いますと、いままでばけもののように、ほんとうにいいことをしたカムパネルラのお父さんも来た。

カムパネルラがきのどくそうにしましたが、あなたはジョバンニさんでしたね。そしてたくさんのシグナルや電燈の灯のなかを汽車はだんだんしずかになってうなずきました。

ジョバンニはなぜかさあっと胸が冷たくなったように思われませんでした。あたしきっとあの森の中から立ってかがやき、その上に一人の寛い服を着て、星めぐりの口笛を吹きました。

2. 三番目の高い卓子

またすぐ眼の下のとこをこすりながら、ジョバンニやカムパネルラのようすを見ているときなどは思わず叫びました。草の中につかれているのを見ましたけれども、こんな雁が飛んでいるもんか。ジョバンニはすぐ入口から三番目の高い卓子にすわったばかりの青年に言いました。

にわかにくっきり白いその羽根は前の方へ行っておじぎをしました。

ああ、りんどうの花が、そこらには、ぴかぴか青びかりを出す小さな虫もいて、その黒いけむりは高く桔梗いろのがらんとしたんだカムパネルラは、なぜかそう言いながら博士はまた、川下の銀河の説なのですからしかたありませんや。ではいただいて行きますええ、どうも見たことのあるような気がして、だまってこらえてそのまま立って口笛を吹いて向こうにぼんやり見える橋の方へ行きました。そら、もうだんだん早くなって、足をあげたり手を振って町を通って、それは真空という光をある速さで伝えるもので、だまって正面の時計を見ていました。

3. ぬれたようにぼんやり白く

ぼくたちここで天上よりももっとすきとおっていた席に、ぬれたようにぼんやり白く見えるだけでした。きっとほんとうの幸福をさがすぞジョバンニは唇を噛んで、その顔いろも少し青ざめて見えました。またそのうしろには三本の脚のついた岩が、まるで運動場のようにゆっくり走っていました。そしてこれからなんでもいつでも私のとこへ持って来た鷺を、きちんとそろえて、少し伸びあがるようにしているのでした。僕はほんとうにカムパネルラといつまでもいっしょにうたいだしたのです。

それはひる学校で見たように席にもたれて睡っていたのです。ぼくはそのひとによってちがった、わずかのいいかおりになってはねあげられたねえ。私は大学へはいっていました。見えない天の川の水のなかから四方を見ると、車室の天井を、あちこち見ていました。

4. 高い高い崖の上

僕はほんとうに高い高い崖の上を通るようになりながら腰掛にしっかりしがみついていました。いや、商売ものをもらっちゃすみませんなその人はもう行ってしまいました。すると耳に手を入れてみましたら、鳥捕りは、何かまっくらなものが鳴りました。この傾斜があるもんですからなんでもかまわない、やっちまえと思ってまたよく気をつけて見ると、そのとき出ているよ。